2026年9月25日、東京・六本木の国立新美術館で開催されている「ルーヴル美術館展 ルネサンス」に行ってきました。
今回の展覧会で特に注目されているのが、レオナルド・ダ・ヴィンチの《女性の肖像》、通称《美しきフェロニエール》です。
私もこの作品を目当ての一つとして訪れましたが、実際に会場を回ってみると、エル・グレコの肖像画や、これまであまり興味を持っていなかったレリーフなど、思っていなかったところにも印象に残る作品がありました。
また、私が訪れた日は《美しきフェロニエール》を正面から見るために約80分待ちとなっており、平日とは思えないほどの混雑でした。
今回は「ルーヴル美術館展 ルネサンス」を実際に鑑賞した感想を中心に、印象に残った作品や《美しきフェロニエール》の混雑・待ち時間について紹介します。
ルーヴル美術館展 ルネサンスを国立新美術館で鑑賞
「ルーヴル美術館展 ルネサンス」は、東京・六本木の国立新美術館で開催されている展覧会です。
レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、ルネサンス期に活躍した芸術家たちの作品が集められており、絵画だけでなく彫刻やレリーフなど、さまざまな作品を見ることができます。
私は美術史について詳しいわけではないので、美術館では作品の知識だけにこだわらず、実際に見て「気になる」「好きかもしれない」と思った作品をじっくり見ることが多いです。
今回も同じように会場を回っていきましたが、《美しきフェロニエール》以外にも自分の中で新しい発見がいくつかありました。
特に印象に残ったのが、エル・グレコの肖像画とジェルマン・ピロンの工房によるレリーフ作品です。
エル・グレコ《アントニオ・デ・コバルビアス・イ・レイバの肖像》
今回、個人的に印象に残った画家の一人がエル・グレコです。
私は以前、岡山県倉敷市にある大原美術館を訪れた際に、エル・グレコの《受胎告知》を見ています。
そのためエル・グレコという名前には馴染みがあったものの、実際に意識して見たことのある作品は《受胎告知》くらいでした。
今回展示されていたのは、《アントニオ・デ・コバルビアス・イ・レイバ(1524–1602年)の肖像》。

私の中ではエル・グレコといえば《受胎告知》の印象がかなり強かったので、肖像画を見ること自体が新鮮でした。
一つの作品しか知らなかった画家でも、別の作品を見ることで「こういう絵も描いていたのか」と新しい一面を知ることができます。
以前に大原美術館で《受胎告知》を見ていたからこそ、今回この作品に自然と目が留まったのだと思います。
いろいろな美術館へ足を運んでいると、以前見た作品と今回見た作品が自分の中で少しずつつながっていく。
最近は、そんなところにも美術館巡りの面白さを感じるようになりました。
《シャルル9世の騎馬像》でレリーフの魅力に気づいた
今回の「ルーヴル美術館展 ルネサンス」では、レリーフ作品が多いことも印象に残りました。
これまで美術館でレリーフを見ても、個人的にはあまり強く惹かれることがありませんでした。
絵画であれば色使いや描かれているものをじっくり見ることがあっても、レリーフは「こういう作品もあるんだな」くらいで通り過ぎてしまうことが多かったと思います。
しかし今回、ジェルマン・ピロンの工房による《シャルル9世の騎馬像》を見たときに、なぜか素直に「なんかいいな」と感じました。

そこでいつもよりじっくり作品を見ているうちに、子どもの頃に好きだった「飛び出す絵本」を思い出しました。
完全な平面ではないけれど、普通の彫刻のような完全な立体でもない。
平面の中から人物や馬がこちら側へ飛び出してくるようなレリーフの見え方に、飛び出す絵本と少し似た感覚を覚えたのかもしれません。
もちろん、美術作品としてのレリーフと子ども向けの飛び出す絵本はまったく別のものです。
それでも自分の中では、子どもの頃の懐かしさや思い出補正のようなものが加わって、《シャルル9世の騎馬像》をより魅力的に感じたのかなと思いました。
作品そのものを見るだけでなく、「なぜ自分はこの作品が気になったんだろう」と考えてみるのも、美術館の面白いところです。
今回の展覧会をきっかけに、今後はほかの美術館でもレリーフを少し意識して見てみたいと思いました。
《美しきフェロニエール》の混雑状況|正面鑑賞は80分待ち
そして今回、一番の目当てだったのがレオナルド・ダ・ヴィンチの《女性の肖像》、通称《美しきフェロニエール》です。
私が訪れた2026年9月25日は金曜日でしたが、《美しきフェロニエール》を正面から鑑賞するための列は、なんと約80分待ちになっていました。(実際に並んでからは60分くらいで正面から鑑賞できた)
9月25日はシルバーウィークと土日に挟まれた金曜日。
私自身も休みを取って訪れたので、同じように休みを取った人が多かったのかもしれません。
平日ということで、もう少し空いていると思っていただけに驚きました。
ただ、《美しきフェロニエール》自体は、正面から鑑賞するための列に並ばなくても横から見ることができました。
そのため、「とにかく作品を見たい」という場合と、「真正面からじっくり見たい」という場合では、必要な時間がかなり変わりそうです。
私が訪れた日の待ち時間なので、いつでも80分待ちというわけではありませんが、混雑する日に訪れる場合は時間に余裕を持っておいた方がいいと思います。
《美しきフェロニエール》を実際に見た感想
実際に《美しきフェロニエール》を見て、特に印象に残ったのが女性の視線です。

正面や正面から少し左側の位置で見ると、描かれている女性はこちらから視線を外しているように見えました。
ところが、そこから正面右側へ移動して見てみると、今度はこちらと目が合っているように感じます。
当然、描かれている人物の目が動いているわけではありません。
それでも自分が少し移動しただけで、視線を外されているように感じたり、こちらを見ているように感じたりするのが不思議でした。
「本当にそう見えるのかな」と、何度か位置を変えて確かめたくなる面白さがあります。
写真や画集でも作品を見ることはできますが、自分自身が左右に動きながら見え方の違いを確かめられるのは、実物を鑑賞するからこそできることです。
有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの作品を見られたこと以上に、この「まなざし」を自分の目で確かめられたことが印象に残っています。
80分という待ち時間には驚きましたが、実際の作品を目の前にして、角度による印象の違いを楽しめたのは今回ならではの体験でした。
最後に|ルーヴル美術館展 ルネサンスは新しい発見の多い展覧会だった
「ルーヴル美術館展 ルネサンス」は、《美しきフェロニエール》を大きな目的として訪れましたが、実際に鑑賞してみると、それ以外にもいろいろな発見がありました。
有名な作品を見ることだけでなく、今まで興味がなかった作品や表現に突然惹かれる瞬間があるのも、展覧会へ足を運ぶ面白さだと思います。
《美しきフェロニエール》の混雑には驚きましたが、それも含めて今回の「ルーヴル美術館展 ルネサンス」は印象に残る展覧会になりました。
今回をきっかけに、次に美術館へ行ったときには絵画だけでなく、レリーフ作品にも少し注目して見てみようと思います。



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