先週くらいから話題になった人生シミュレーションゲーム『80億分の1』をプレイしました。
最初に生まれたのはカメルーン。しかし、その人生は0歳で終わってしまいました。次に生まれたボリビアでは、自分ならどうするかを考えながら選択を重ね、現実では選ばなかった仕事にも挑戦しました。
生まれた場所も育った環境も違うのに、選択肢を前にすると今の自分の考え方が顔を出す。その一方で、自分ではどうにもできない出来事も起こります。
今回は、2回のプレイを通して印象に残ったことや、別の人生を体験して感じたことを振り返ります。
『80億分の1』とは?別の誰かの人生をたどるゲーム
『80億分の1』は、ランダムに与えられた出生条件から人生を歩んでいくシミュレーションゲームです。実際の統計を参考にしており、生まれた国や家庭環境などが人生の出発点になります。
自分とは異なる環境に生まれ、成長する中で選択を重ねていくため、「もし別の場所に生まれていたら」と想像しながら遊べます。
私の場合は、最初のプレイで選択する以前に人生が終わってしまい、このゲームへの向き合い方が少し変わりました。

『80億分の1』を遊んで印象に残った3つのこと
カメルーンで0歳のまま亡くなった初回プレイ
初めての人生では、カメルーンの農村にある、暮らしに余裕のない家庭に男の子として生まれました。

どんな人生になるのだろうと思っていたところ、0歳で亡くなってしまいました。人生の記録に表示されていた死因は「新生児の病気」です。

あまりに早い結末だったので、最初は「何か操作を間違えたのかな」と思いました。ゲームを始めたばかりなのに、もう終わってしまったことが意外だったのです。
ただ、少し考えると、0歳の子どもは自分で食事を用意したり、病院へ行ったりすることができません。周りの大人の助けがあって、初めて生きていける年齢です。
そう考えると、操作ミスを疑っていた気持ちが、少し悲しい気持ちに変わりました。世界には、自分で何かを選べる年齢になる前に、命を失ってしまう子もいるのだろうと感じたからです。
もちろん、今回のゲーム内の出来事だけで、その国全体の暮らしを語ることはできません。それでも、自分が当たり前のように成長してきた時間について、立ち止まって考えるきっかけになりました。
ボリビアでの選択に表れた、今の自分の価値観
2回目に生まれたのは、ボリビアのサンタクルスです。今回は暮らし向きのよい家庭に生まれ、成長しながら選択を進めることができました。

遊んでいる間は、なんとなく「場所は違っても、今の自分ならこちらを選ぶだろうな」と考えていました。
ゲームの中で別の人物を動かしていても、判断するのは今の自分です。何に興味を持ち、どんな経験をしてほしいと思うかに、自分の好みが表れるのが面白く感じました。
例えば、私は現在、美術展へ行くことなど、芸術に触れる時間が好きです。そのため、今回の人生では子どもの頃から芸術系の経験をさせてみました。
今の自分が好きなものを、もっと早い時期から身近にしていたらどうなるのだろう。そんな気持ちが選択に混ざっていました。
大人になってから見つけた楽しみを、ゲームの中の子どもに渡しているようでもあります。別の人生を進めながら、今の自分が何を大切にしているのかも見えてきました。
就職活動で迷った金融系の進路を選んでみた
今回、特に試してみたかったのが仕事の選択です。
現実の就職活動では、金融系の会社への就職も考えていました。そこでゲームの中では、あえて金融系の進路を選んでみました。
今の会社に入ったことへの後悔は、全くありません。ただ、当時迷っていたもう一方の道を選んでいたら、自分はどんなふうに働いていたのか。その姿を少し体験してみたかったのです。
人生の記録には、保険外交員や不動産仲介業者として働き、引退したことが残っていました。
ゲームなので、実際にその仕事へ就いた場合の答えが分かるわけではありません。それでも、以前迷っていた進路を選んで人生を進めること自体に、面白さがありました。
就職活動をしていた頃の自分を思い出しながら、今回はそちらへ進んでみる。自分の過去の迷いがあることで、仕事を選ぶ場面にも個人的な意味が生まれた気がします。
78歳までの人生の記録を見て感じたこと
ボリビアでの人生は、78歳で幕を閉じました。

大学へ進み、仕事をし、子どもが1人生まれ、最後は肝臓がんで亡くなるという人生でした。出生時と最後の記録を見比べると、赤ちゃんだった人物が年を取り、一生を過ごしたことが分かります。
最初のプレイでは、まだ何かを選ぶ前に人生が終わりました。今回は子ども時代から老後まで進められたため、その違いが強く印象に残っています。
芸術に触れさせたり、仕事を選んだりできるところまで成長することにも、意味がある。2回の人生を続けて遊んだからこそ、そう感じました。

最後に|別の人生から、自分の人生を振り返れた
『80億分の1』は、私にとって、別の環境で生きることを想像すると同時に、自分自身の選択を振り返るゲームになりました。
カメルーンでの短い人生には少し悲しくなり、ボリビアでの人生では、今好きな芸術や、就職活動で迷った進路に自分の思いを重ねました。
次に遊ぶときも、今の自分ならどうするかを考えてしまうと思います。その選択が違う環境の中でどんな人生につながるのか、また見届けてみたいです。



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