※この記事では『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』の内容に少し触れています。物語の核心となるネタバレは避けていますが、完全に何も知らない状態で遊びたい方はご注意ください。

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』をクリアしました。
以前から評判が良いことは知っていたのですが、手を出していませんでした。しかし、少し前に2作目の『パラノマサイト file38 伊勢人魚物語』が出たため、そろそろやろうと思って手を出しました。いわゆるジャンプスケアや不気味な演出はあるのですが、それ以上にミステリーとしての引き込み方がかなり上手くて、気づけばどんどん先へ進めていました。
個人的に一番良かったのは、ただ怖がらせるだけの作品ではなく、「この人は何を考えているのか」「この出来事はどうつながるのか」と考える時間そのものが面白かったところです。
プレイ時間も極端に長すぎるわけではなく、物語の密度が高いので、短めの時間でしっかり満足感のあるアドベンチャーゲームを遊びたい人にはかなりおすすめできる作品でした。
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』とは
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、スクウェア・エニックスから発売されたホラーミステリーアドベンチャーゲームです。
舞台は昭和後期の東京都墨田区。実在する怪談「本所七不思議」を題材に、死者を生き返らせることができるとされる「蘇りの秘術」を巡って、複数の人物たちの物語が交差していきます。ジャンルはホラーミステリーADVです。
本作の特徴は、登場人物ごとに視点が切り替わる群像劇になっているところです。
最初はそれぞれ別々の事件を追っているように見えるのですが、少しずつ情報がつながっていき、「あの場面はそういう意味だったのか」と後から見え方が変わっていく作りがとても気持ちよかったです。
ホラー、ミステリー、オカルト、サスペンスがうまく混ざっていて、ただの怪談ものでは終わらないところが魅力だと思いました。
良かったところ
不気味なのに続きが気になる雰囲気作り
まず良かったのは、作品全体の空気感です。
夜の街、古い怪談、呪い、昭和後期の少し湿った雰囲気など、最初からかなり不穏な空気があります。画面の作りも派手に驚かせるというより、じわじわと嫌な予感を積み重ねてくるタイプで、プレイしていて常に少し緊張感がありました。
特に、背景や人物の立ち絵の見せ方が印象的でした。
実写に近いようで少し違和感のある背景と、独特な表情のキャラクターたちが合わさることで、現実っぽいのにどこかおかしい雰囲気が出ています。これが本所七不思議という題材とかなり相性が良く、物語に入り込みやすかったです。
ホラーが苦手な人にとっては少し怖い場面もありますが、個人的には「怖すぎて進められない」というより、「怖いけど先が気になる」というバランスでした。
この先で何が起きるのかを知りたくなって、気づいたら次の章まで進めてしまうタイプの作品です。
群像劇としてキャラクターの見せ方が上手い
次に良かったのは、複数のキャラクターの視点で物語が進むところです。
本作は一人の主人公だけを追い続けるのではなく、さまざまな人物の視点を切り替えながら物語を進めていきます。最初は「この人たちはどう関係しているんだろう」と思うのですが、進めるほど少しずつ関係性が見えてきて、点だった情報が線になっていく感覚がありました。
キャラクターもかなり個性的です。
怪しい人、何かを隠していそうな人、真面目に事件を追っている人など、それぞれに目的があって動いているので、単純な善悪だけでは見られないところが面白かったです。
また、会話のテンポも良くて、シリアスな雰囲気の中にも少し笑えるやり取りがあるのが良かったです。怖いだけでずっと重い作品だと疲れてしまいますが、本作はキャラクター同士の会話にクセがあって、物語を進める楽しさにつながっていました。
個人的には、ミステリー作品として「誰を信じていいのか分からない感じ」がとても好きでした。
一見普通に見える人でも、何か裏があるのではないかと疑ってしまうので、会話を読んでいるだけでも楽しかったです。
ゲームならではの仕掛けが気持ちいい
そして一番印象に残ったのは、ゲームならではの仕掛けです。
『パラノマサイト』は、ただ文章を読んで選択肢を選ぶだけのアドベンチャーゲームではありません。プレイヤー自身が画面を見回したり、情報を整理したり、状況を考えたりすることで進んでいく場面があります。
この「自分で気づく」感覚がかなり良かったです。
小説や映画ではなく、ゲームとして遊ぶ意味がしっかりある作品だと感じました。詳しく書くとネタバレになってしまうので控えますが、終盤にかけての仕掛けはかなり印象に残りました。
「そういうことだったのか」と納得する気持ちよさと、「これはゲームで体験してよかった」と思える驚きがあります。
ミステリー作品は、結末が分かった瞬間に満足感が大きく変わると思うのですが、本作はそこがかなり強かったです。序盤から積み重ねてきた不気味さや違和感が、最後にちゃんと意味を持ってくるのが気持ちよかったです。
プレイをおすすめできる人
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、ミステリーやアドベンチャーゲームが好きな人にかなりおすすめです。
特に、怪談や都市伝説の雰囲気が好きな人、複数の人物の視点が絡み合う群像劇が好きな人、最後にしっかり驚きのある物語を楽しみたい人には刺さると思います。都市伝説解体センターなどが好きな人にはぶっ刺さりです。
逆に、ホラー要素がまったく無理な人には少し注意が必要です。ただ、個人的にはホラーだけを前面に出した作品というより、ミステリーとしての面白さがかなり強い作品だと感じました。
怖さよりも「謎を解きたい」という気持ちで進められるゲームです。
最後に
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、遊ぶ前に想像していた以上に完成度の高いホラーミステリーADVでした。

本所七不思議という題材の使い方、キャラクターごとの視点がつながっていく群像劇、そしてゲームならではの仕掛けがどれも良くて、クリア後の満足感がかなり高かったです。
特に、終盤に向けて情報が整理されていく感覚はとても気持ちよく、「これは評判が良いのも納得だな」と思いました。
『パラノマサイト file38 伊勢人魚物語』のほうも遊んだので近いうちに次の記事として上げます。
短めの時間で濃い物語を楽しみたい人や、少し怖いけど先が気になるミステリーを遊びたい人には、ぜひ一度触れてみてほしい作品です。



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