前作に続いてプレイしたパラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語をクリアしました。
前作のパラノマサイト FILE23 本所七不思議がかなり好きだったので、続編にも手を出しました。しっかり満足しています。
前作の衝撃には及ばない部分もありますが、それでも伝奇・オカルト・ミステリーを組み合わせた独特の面白さは健在でした。
特に今回は伊勢志摩を舞台にした“人魚伝説”がテーマになっていて、ホラーというより青春群像劇としての魅力が強かったように感じます。
パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語とは
本作はスクウェア・エニックスが発売したミステリーアドベンチャーゲームです。
舞台は前作と打って変わって伊勢湾に浮かぶ離島・亀島です。
主人公の水口勇佐が海底で「もうひとりの自分」を目撃したことをきっかけに、人魚伝説や呪いにまつわる事件へ巻き込まれていきます。
前作と同じ世界観ではありますが、登場人物や舞台は一新されています。そのため前作未プレイでも十分楽しめます。
良かったところ
伊勢志摩の伝承と物語の組み合わせが面白い
前作の本所七不思議も魅力的でしたが、今回は人魚伝説を中心に物語が展開していきます。
人魚という題材自体は昔からよくあるものですが、本作では単なるファンタジーとして扱うのではなく、島の歴史や住民たちの価値観と結び付けて描かれていました。
プレイしていると、
「この伝承にはどういう意味があるんだろう」
「この人物は何を隠しているんだろう」
と自然に考えながら進められます。
クリア後には実際の人魚伝説や伊勢志摩について調べたくなるほど、舞台設定の作り込みが印象的でした。2年ほど前に伊勢・志摩に行ったことがありましたが、もう一度行きたくなりました。
複数主人公の物語が少しずつ繋がっていく快感
パラノマサイトシリーズの好きな部分でもありますが、今作も複数視点で物語が進行します。
最初はバラバラに見えていた人物たちの行動が、少しずつ一つの事件へ繋がっていく流れが本当に面白いです。
序盤では意味不明だった会話や行動が終盤になると別の意味を持ち始めるため、
「あの時の発言ってそういうことだったのか」
という発見が何度もありました。
単なるどんでん返しではなく、ちゃんとプレイヤーへ情報を与えながら真相へ導いていく構成なので納得感があります。
終盤はかなり夢中になってプレイしてしまい、気付いたら数時間経っていました。

ホラーよりも青春群像劇として印象に残った
前作は呪いや怪談による恐怖演出がかなり強めでした。
一方でFILE38はホラー要素がやや控えめになり、その分キャラクター同士の関係性が丁寧に描かれています。
特に若者たちの友情や葛藤、将来への不安などが物語の軸になっていて、人魚伝説という非現実的な題材の中にも妙なリアリティがありました。

だからこそ終盤の展開も単なる謎解きで終わらず、登場人物たちの選択としてしっかり心に残ります。
クリア後に振り返ると、「呪いの物語」というより「人の願いの物語」だったように感じました。
気になったところ
前作ほどホラー感は強くない
これは好みの問題ですが、前作の不気味さや怖さが好きだった人は少し物足りなく感じるかもしれません。
今作も不穏な雰囲気はありますが、恐怖演出よりもストーリー重視の作品になっています。
個人的には面白かったですが、「もっと怖いパラノマサイトが遊びたい」という人は前作の方が刺さるかもしれません。
プレイをおすすめできる人
- ミステリー作品が好きな人
- 都市伝説や伝承が好きな人
- ノベルゲームを遊びたい人
- 青春群像劇が好きな人
- 前作パラノマサイトを楽しめた人
逆にホラーゲームだけを求めている人よりは、物語重視のアドベンチャーゲームを求めている人の方が満足できると思います。
前作よりも真エンディングに到達するのが難しかったと感じるので、頭を使う要素は前作より強くなっているようにも感じました。ほんとに少しですが。
最後に
正直なところ、前作があまりにも完成度が高かったので「続編は難しいのでは」と思っていました。
しかし実際に遊んでみると、前作と同じことを繰り返すのではなく、人魚伝説という新しい題材を使って別方向の面白さを作り上げていました。
伊勢志摩の伝承、青春群像劇、オカルトミステリー。
それらが上手く組み合わさり、最後まで先が気になる物語になっています。
まだまだ日本全国の伝承はあるので、どんどん続編を出していってほしいシリーズになっています。日本だけではなく今作のキルケちゃんのようにエクソシストがいるような海外の伝承も取り込めばたくさんの続編が望めるシリーズとなると思います。
前作ファンはもちろん、ミステリーゲームが好きな人にもぜひ遊んでほしい一本です。



コメント