この先日、『架空の犬と嘘をつく猫』を見に行ってきたため、良かったところを書いていこうと思います。ネタバレあり部分に関しては【ネタバレあり】の表記を記載しています。
『架空の犬と嘘をつく猫』とは
弟の死により現実を見なくなった母親を筆頭に、家族誰もが“不都合な真実”から目をそらし、それでもなお一緒に暮らしている、機能不全の羽猫家。その中で、少年・山吹はただ一人、家族と向き合いながら成長していく。
出典:『架空の犬と嘘をつく猫』公式サイトから引用
原作は、『川のほとりに立つ者は』で本屋大賞にノミネートされた寺地はるなの同名小説。監督は『愛に乱暴』で世界の映画祭を沸かせた森ガキ侑大。本作も世界15大映画祭の一つ、タリン・ブラックナイト映画祭のコンペティション部門に選出され、その手腕は日本だけでなく世界でも高く評価されている。脚本は『浅田家!』で日本アカデミー賞脚本賞を受賞した菅野友恵。
主演・羽猫山吹には、確かな演技力と柔らかな存在感で物語を支える高杉真宙。共演には、正反対の女性像を体現する伊藤万理華と深川麻衣をはじめ、母・雪乃を演じる安藤裕子、姉・紅役の向里祐香、父・淳吾役の安田顕。そして祖母役に余貴美子、祖父役には柄本明ら幅広い世代の実力派俳優たちが集結した。
積み重なった嘘は、愛の裏返し。彼らの“嘘”がほどかれたとき、家族は本当の意味で“家族”になっていく―。
『架空の犬と嘘をつく猫』のおすすめポイント
登場人物の孤独がとてもリアル
派手な演出はないのに、登場人物たちの孤独が痛いほど伝わってきます。
誰かと一緒にいても分かり合えない感覚、本音を言えないまま時間だけが過ぎていくもどかしさ。
メインの登場人物のほとんどの少し良くない感情や行動を理解できてしまうことが何度もあるのが、この作品の怖さであり魅力です。
嘘が「悪」ではなく「救い」として描かれている点
この作品で描かれる嘘は、人を傷つけるためのものではありません。
むしろ、自分自身を守るため、あるいは誰かとつながるための嘘として描かれています。
正直でいることが正解とは限らない。嘘をつくことでしか生き延びられない瞬間もある。
そんな現実を、否定せずに受け止めてくれる描き方がとても印象的でした。
「嘘=悪」と単純に切り捨てない視点が、この映画のやさしさだと感じます。
【ネタバレあり】個人的に一番良かったところについて
ネタバレありの感想のためこれから見る方は開かず先に進んでください!
弟が亡くなってから、お母さんは精神的に病んでしまい正気を失っているように感じたが、物語の途中で弟がなくなっていることも弟の代わりに山吹が手紙などを用意していたことも理解していて、弟が生きているように振舞っていることが語られましたが、子供のころの山吹は正気を失っていないことに気づいて、お母さんの空想の世界に付き合っていました。しかし、最後のりか子先輩の正気を失っているような振る舞いに対しては、冷静さをあることに気づいた上で、りか子先輩の話には付き合わなかったことで、子供のころから続いていた家族内の確執にけりがついたような気がしてよかったです!!
もちろん、子供のころは罪悪感があって嘘に付き合っていたと思いますが、物語の作り方的にそのような意図があったのかなと考えました。
個人的な私の考えなので、作者の意図にそのようなことはないかもしれませんが、私はそのように考えたためいろんな人の意見を聞いてみたいです!!
最後に
『架空の犬と嘘をつく猫』は、派手さはないため観る人を選ぶ作品かもしれません。
しかし、
✔ 静かな映画が好き
✔ 人の感情を丁寧に描いた物語が好き
✔ 誰にも言えない気持ちを抱えたことがある
そんな人には、きっと深く刺さる一本です。



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