『ダレカレ』感想|1時間で心をえぐる“認識の歪み”体験インタラクティブノベル

ゲーム

 「短いのに、ずっと残るゲーム」を探している人に刺さるのが、インタラクティブノベル『ダレカレ』。Steam / Nintendo Switchで遊べて、全3章・約1時間で完走できるのに、体験としてはかなり濃いです。しかも「The Indie Game Awards 2025」で「Emotional Impact賞」を受賞しました!

 『ダレカレ』は、登場人物たちの視点を通して人の認識の「歪み」を体験するインタラクティブノベルです。全3章で、プレイ時間は約1時間ほどで終わります。

物語の始まりは、「いつもと同じ朝」のはずが、少女が起きると父親がいない。代わりにリビングにいるのは見知らぬ男。会話はかみ合わず、謎の薬を差し出される——。 といった始まりです。

 そしてこのゲーム、公式に注意書きが出ています。フィクションではあるものの、現実を思い起こさせる表現があり、人によっては重く感じる可能性があるため「安心できる環境で」「つらくなったら中断を」と明記されています。

1時間で完走できるのに、読後感がズシンとくる

 全3章・約1時間で終わる短さですが、短編だからこそ、余計な説明が少なくて“密度”が高い。
「長編RPGをやる体力はないけど、強い物語体験がほしい」人にちょうどいい。

 また、どんなゲームでも感情移入をしてゲームを楽しめるタイプの人は、感情がぐちゃぐちゃになるため1時間とは思えないほど疲れます。私自身とても疲れましたがプレイしてよかったです!

“文章で説明”じゃなく“操作でわからされる”のが上手い

 『ダレカレ』は、物語の合間に小さな操作が挟まる構成が特徴的です。
 そしてすごく不自由な操作を要求されますが、それは単なる味付けではなくて、「主人公の視点だと世界がどう見えて、何がどれだけ大変か」を手触りで理解させてくれます。

ノベルゲーが好きな人はもちろん、普段ノベルゲーをやらない人でも入っていきやすいと思います。

【ネタバレあり】『ダレカレ』が刺さる人・刺さりすぎる人

物語核心に触れている感想のため未プレイの方は開かず先に進んでください!

 私は祖母が認知症だったため、ロジャー側の感情がとても刺さりました。主人公がスープをこぼしたことをロジャーのせいと勘違いして責めたとき、ロジャーはすこし強い口調を使ってしまいましたが、毎日似たような経験をしているとどんな聖人でも心がしんどくなると思っています。私自身は祖母が認知症になってから、老人ホームに会いに行くだけで気が滅入るようになってしまったため、毎日顔を合わせて、介護をしているロジャーはものすごい愛を感じました。
 どれだけ愛をもって介護をしていても、強く当たったり、手が出てしまうこともあり、罪悪感に潰されそうになるロジャーのイラストは心にきました。口調が荒くなったことなどは、謝ることもできますが、謝っても相手は覚えてもないため謝罪は届かず、どんな小さなことでも負の感情が解消されず、積みあがっていきます。そんな気持ちに感情移入をしたことで感情がぐちゃぐちゃになりました。

 私の持論として、嬉しい気持ち、悲しい気持ち、どんな気持ちでも大きく動かすことができる作品は良作であると考えています。今回は悲しさでぐちゃぐちゃに心を乱されましたが、とてもプレイしてよかったです!!

 登場人物に感情移入して、心をぐちゃぐちゃにできる人にはとても刺さる作品だと思うのでぜひやって見てください!!

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